『オカルティズムと現代』第10回(最終回)の報告と追加開催 3月27日・4月17日 の日程について

『オカルティズムと現代』第10回(最終回)の報告と追加開催の日程について
2月21日(日)14:00~16:30 YCAM2F多目的室にて第10回(最終回)を開催。出席者5名。
・今年度(今回)で講座を閉じることの概略説明(岡田の私的情況説明)
・来年度継続 並びに今年度内〈3月4月)残り2回の通常開催を求められるが(岡田の私的)内的情況の詳細を述べてその困難を明示 (学級委員の交替を含めて)別の形での運営を勧める。
◎4年半継続した本講座についての意見交換(茶話会形式);
・本講座と各参会者の内的な関わりを言語化する試み(自由発言)
・野口晴哉の言葉「信をもって生きる」の秘儀的な生の在り方(全生・命がけ)
・一切の縛りのない本講座のような場が今後は更に求められることになるだろう etc.
・決定事項 :
① 今年度2回の追加開催(下記日程参照)ただし、代行学級委員の運営による
② 来年度は新体制で科目開設(継続)を検討する(科目名等は新年度に決定)
以下は『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋並びに一部集約(P.227~255);
【境域の守護霊】
〈境域の小守護霊〉エーテル体アストラル体の内部で意志思考感情の間の結合帯が解けはじめたときに出会う
〈境域の大守護霊〉結合帯の解消が肉体部分(特に脳)にまで及ぶときに向き合う
・境域の守護霊との出会い(物語形式で述べられる)怖気だつような妖怪じみた存在が語る;
〔カルマの法則の形式/過去の一切が内部から取り出され人格の外へ出る/隠された叡智もおまえから離れる~その課題を引き継ぐ/恐怖からの自由とどんな責任をも引き受ける覚悟/おまえが死んだとき私はそこにいた/この領域は死後の諸領域と感覚的世界との境にある/私は死の天使であり同時に不滅の霊的生活の提供者でもある/不滅な存在への再生を体験する/私はおまえを通して私自身の存在に目覚めた/おまえは私を創造することによって私をたえず改良し続ける義務をも背負ったのだ〕境域の守護霊=アストラル形姿
・守護霊の姿は修行者自身の過去の生活の結果に過ぎない(修行者の性格)
・自分こそが或る霊的存在にその根拠を与えたのだ
・死の意識的体験(肉体を脱ぎ捨てる)
・個々の人間 ― 家族の魂 民族の魂 人種の魂(個々の人間の肉体を道具として使用する)
・民族や種族によって与えられた使命 → 新しいアストラル体を付け加える過程
・共同体の温床から出て行く → 完全な闇(守護霊自身から放射される輝き)守護霊から与えられる第二の警告
・浄福の予感 新しい自由の感情 ― 新しい義務感 新しい責任感
【生と死 ― 境域の大守護霊】
・〈境域の小守護霊〉人間の行為感情意志の諸結果から構成 ⇔ 性格と運命とを作り出す原因
・内なる本性の不完全さ―この世の現実の中でしか完全にすることができない ― 感覚的現実の中でのみ育成することが可能な能力はすべて手に入れなければならない
・不可視の世界の中に生きるつもりなら、そのために必要な能力や手段を可視的な世界の中に求めねばならない
・霊的洞察力(「高次の」世界のための視力)は「低次の」世界での諸体験を通してこそ次第に形成されていく
・感覚世界の中に「高次の」世界のための苗床が作られるようになる ― 過去への展望と未来への展望(超感覚的世界は感覚世界への移行を必要とした/感覚世界の中で成熟しえた果実が高次の世界に同化される)人間存在 → 病気と死に対する理解
・古い世界からの存在の莢の中で未来に生きるべき存在の莢が育っていく ― 二重の存在(死すべき存在でもあり不滅の存在でもある/終末と発端)生と死
・人間の使命は死すべきものの中から不滅なもののための果実を取り出すことである
・誕生から死までの間は新しい生命が死滅する過去からどのくらい救い出されるかを表現しているに過ぎない(病気とはこの過去の死滅する部分の継続に他ならない)
・無常なるものから作り出せる不滅なもののすべてを作り出す(物質的感覚世界からの離脱)― 解脱の過程/完全さへの無限の努力の一過程
・第一の「境域の守護霊」の中には過ぎ去った時間の成果しか現れていない
・第二の「境域の守護霊」との出会いの情景(物語形式で表現);
〔思考感情意志の諸器官は超感覚的な領域からそれらを支配する人間の強力な魂の道具になっている/解脱によって得た力を感覚的世界のために役立たせねばならない → 同胞たちの救済/黒い道と白い道〕
・第二の境域の守護霊と結ばれることは遙かな切実な努力目標である(現界から得たすべての力を解脱と救済のために費やす/人類の祭壇上への供物)
・最大の誘惑 ― 利己心に訴えかける浄福への誘惑(黒い道)
・白いオカルティストにとっては一切の存在(人間とその仲間たち)の進化と解脱とが問題なのである(没我的な帰依と献身)
【文責:学級委員 岡田隆】
追加開催の予定日(代行学級委員による運営)
第11回 3月27日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
第12回 4月17日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室

『オカルティズムと現代』H27年度第9回の報告と次回の開催日程平成28年2月21日(日)

『オカルティズムと現代』第9回の報告と次回(最終回)の開催日程について
1月31日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室にて第9回を開催。出席者4名。
自由発言で話題となった事項;
・スピリチュアル系と陰謀論の両分野に関わる事項多数(レプティリアンetc.)
・人体売買の国際市場の現状
・野口晴哉の全生:今この時を全力もって生きるということ(命がけ)
 見えている明日のその人(家族の行く末)ではなく、今この時に全力を尽くすということ
※次回を今年度の最終回とし、科目運営も今年度で終了する旨を報告。
以下は『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋(P.189~225);
【神秘修行者の夢に現れる変化】
・混乱した恣意的な夢が規則的な在り方をし始める(夢の法則.夢の原因結果の認識)
→ 経験したことのない世界の心象風景(夢の象徴的表現をとって現れる):霊的進歩の単なる最初の兆し
・夢見る修行者は夢を見ている間も文字通り目覚めている(悟性の制御を受け秩序を与えられる)
・チャクラが開花したとき初めて物質界に属さぬ情報が夢の中に記されるようになる
→ 二重の事柄の達成:夢の中での集中した観察・その観察を覚醒時にも行う
→ 霊界の存在を物質的事象の原因として知覚する(高次の自我の認識)→高次の自我への没頭(以前の「私」は高次の自我の道具にすぎなくなる)
・心臓部に生み出された器官の中で霊的知覚能力を開発し、生命の流れの中でそれを働かせる(霊的知覚能力は霊的素材の一要素なのである)霊的知覚器官の流れ→自分のエーテル体→外なる霊界(霊的対象に光を当てる/自らの霊光を外に向けて照射する)
・霊的知覚器官を生み出す「私」は人体の外に存在している(心臓の器官は高い感覚的な自己を自分の道具に用立てるための手段である)
・霊的に進化した人間は、知覚する霊的対象と一体化されているように、霊的対象の「中に」いるように感じる:「さすらい人」Wanderer(憩うべき場所を持たない)→ 霊界での故郷を作らねばならない:「小屋を建てる」
・この段階での霊視は物質界の霊的対応像に向けられる(アストラル界に存在している)→ 衝動そのものを直接対象として知覚する(オーラ)
・この段階での見霊能力の最高の在り方:アストラル的な反応の知覚(人や動物の衝動や情熱)アストラル的随伴現象としての対応像
・死後の魂が低い欲望の対応像から受ける経験:「魂界の、特に欲望の場所での体験」
【意識の持続性の獲得】
・人間の一生は三つの状態の繰り返しの中で進行する(覚醒ー夢ー睡眠)
・夢の営みの中に現れた状態を覚醒時の意識の中にまで持ち込む(一層高次な認識状態への移行段階)→ 夢のない深い眠りの状態にまでこの変化が及んでくる(象徴的表現):聴覚体験と比較できる(夢の諸体験:一種の視覚体験)
・次なる課題は、それを可能な限り明確なものにすることである(平静な態度/不安や焦燥にかられたりしない)静かに、与えられたもの、贈られたものを受けとるしかない
・睡眠体験が完全に明瞭に意識されるようになる → 体験の二つの種類を正確に区別する(高次の霊界の最初の先触れ/日常世界との深い関連を示す体験)睡眠体験による解明
・感覚界の事物は、或る霊界の表現であり、流出である
・魂の感覚が秩序づけられていなければならない:行法「集中」「瞑想」による霊的知覚器官の育成(高次の人間の成長と成熟のための法則)
・高次の魂のこの誕生は、はじめ深い眠りの中で達成される
・眠りにおける無意識状態を完全に意識的な状態に変化させることのできる段階(高次の睡眠状態を感覚世界と結びつける)
・神秘学は睡眠生活の意識化をもたらすこの重要な段階を意識の連続性と呼ぶ
【神秘修行における人格の分裂】
・睡眠中、魂は肉体の外にある〈エーテル体アストラル体だけと結びついている)
・神秘修業とはこのような霊的感覚器官を形成しようとする努力に他ならない
・夢と睡眠の営みの中に典型的に見出される事柄は覚醒時にも存続している(神秘修行者は魂の営みを意識化する)→ 自分の生き方に自分で責任を負わねばならなくなる → 危険と誤謬・誘惑は非常に大きい(謙遜な態度)
(魂は霊的意味で見えるようにならぬ限り上級の霊的存在たちによって導かれている)
・どんな場合にも人間の使命はこの地上に求められねばならない(霊界に関与し、その啓示を感覚界の中に持ち込む)
・人間の使命:人間が地上を変革しうるのは、霊界から探知し得た事柄を地上に移し入れることによってである
・修行によるエーテル体アストラル体の変化:意志・感情・思考の進化過程と関連(魂の三つの基本的な力)
(修行以前には高次の宇宙法則に従って相互に特別な結びつきを保っていた:人間性に基礎を有する)
・人間の霊的進化に際して、三つの基本的な魂の力を結び付ていた糸が断ち切られる(分裂は肉体にも現われる)→ 人間自身の中に目覚めた高い意識によって新たに作り出されねばならない
・修行者に与えられる偉大な成果は、この三つの魂の力の協働作用を完全に自由に行い得ることである
・この本質的な変化によってはじめて超感覚的な存在の力と意識的な結びつきが持てるようになる
・三つの誤謬(邪道):暴力的人間・感情的耽溺・愛情に欠けた冷たい認識衝動 → 高次の魂の流産
(自分の全存在に対する支配力を常に自ら確保していなければならない:透徹した意識)
【文責:学級委員 岡田隆】
次回(最終回)の開催予定日
第10回 2月21日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

『オカルティズムと現代』H27年度第8回の報告と次回の開催日程平成28年1月31日(日)

『オカルティズムと現代』第8回の報告と以降の開催日程について

12月6日(日)14:00~16:30 YCAM2F多目的室にて第8回を開催。出席者6名。
自由発言で話題となった事項(私的コメントを含む);
・不登校とフリースクール(行き場のない子どもたち)
・失われてしまった手仕事(職人技/伝統など)はいかにして回復できるか?
(周防大島から発した大工集団とその技に関連して)
・〈金融〉のネットから逃れられない日常生活の中で〈個〉とその自由を保持し続けるには?
(自給自足.不食生活そのほか/シュタイナーが『自由の哲学』で提示した「倫理的個体主義」)
・数値化によって潰されてきた〈遊び〉の場(外的な時空間にとどまらない内的な閉塞)
・〈真〉と〈善〉を繋ぐ〈美〉=創造的な喜び(芸術)=〈遊び〉=人間が人間であること
(参考資料:シュタイナーの芸術論・シラー『美と芸術の理論/カリアス書簡』・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』etc.)
・〈質〉の問題が〈量〉的に転嫁されることで生じる勘違いあるいは洗脳(マスメディアの常套)
・(手技と関連して)野口整体に見る手指に秘められた力
・脳と皮膚との関係(三木成夫の発生学)~ 野口晴哉の入浴作法
・飯山一郎さんの乳酸菌運動及び豆乳ヨーグルト製法の紹介あり
以下は『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋及び補足
(「霊界参入が与える諸影響」P.139~188);
・「霊的組織」(アストラル体)の変化(霊視による直観的把握による)
・「蓮華」(チャクラ)の規則的な分節化
 ①両目の間にある第一のチャクラ(2弁/後半部エーテル体の開発段階で詳説)
 ②喉頭近くのチャクラ(16弁/思考内容の在り方を霊視する能力/動的形姿の知覚)
 ③心臓近くのチャクラ(12弁/志向の在り方を霊視する能力/魂の暖かさと冷たさ)
 ④鳩尾近くのチャクラ(10弁/才能や能力を霊視する能力)
・霊的感覚器官を開発する修行
②:八つの種類(仏陀の「八正道」と同一内容)
 ⑴表象に対する注意力の喚起 ⑵熟慮による決断 ⑶熟慮の上での発言 ⑷外的行為に節度を設ける ⑸自然と精神の法則にしたがった生活 ⑹自己認識の上に立った行動 ⑺多くを学ぼうと努力する ⑻内面へ眼を向ける
〔八正道:正見・正思惟・正語・正業・正命・正精進・正念・正定〕
③:六つの行 ⑴思考の制御 ⑵行動のコントロール ⑶持続力の強化 ⑷忍耐(寛容)の行 ⑸信用もしくは信頼の行 ⑹生の均衡の獲得
④:感覚的印象そのものの意識的な支配(幻想や空想への流出口を塞ぐ/意志を鍛える)
 → 形姿と熱であった対象が霊的な光と色とを示すようになる
⑤腹部のチャクラ(6弁/超感覚的世界の存在と交わる)
 全く意識的に自己の存在全体を支配できるように努める(霊魂体の完全な調和)
・エーテル体の開発(「内なる言葉」を聴く能力)
・エーテル体とは肉体の一種のドッペルゲンガーとして現われるところの霊妙な体のことである(それは肉体とアストラル体との中間の段階にある)
・心臓の部分(12弁の蓮華)③に一種の中心点を作り、そこから霊的な流れや動きが出てくるようにする
・瞑想/集中 → 思考訓練(知的な思考力を深化し内面化する)→ 暫定的な中心点(頭部)
・中心点を作る行法 → 頭部から喉頭部の辺り②に移される →(更なる修行)→
 エーテル体の在り方そのものを規定できる:両手に沿って進む流れ ⇔ ①2弁に中心点を持つ流れ
・外からのエーテル体の流れに対する鋭い感受性の獲得:中心点が心臓部③に移される
・「内なる言葉」を理解しうる段階 → 霊界参入
・四つの徳性 ⑴真相を仮象から区別する ⑵真なるものを正当に評価する ⑶⑶の六つの徳性 ⑷内的自由への愛
  → 魂の習慣になるまでに体得されねばならない
・エーテル体の変化(四つの徳性と中心点の移行との関わり)⇒ まったく新しい人生が開けてくる
・高次の見方からすれば、人間の内的営み、自分の衝動や欲望や表象も、自分以外の対象や本性とまったく同じような外的な形姿を示す(内界は外界の一部分となる/魂的本性が鏡像となって立ち現われる)
・霊界を認識するためにはまったく新しい種類の判断を身につけねばならない
(すべてが現実の逆の相として現われる/魂の特性も鏡像のような現れ方をする)
 ⇔ 自分の魂の霊的洞察を要する(霊的鏡像との出会い=自分自身の内部)
・鏡像=低い自我 ⇒ 高い自我(霊的自我の形姿)→ ①2弁の蓮華(高次の霊的存在との結びつき)
・霊界の中への誕生 ⇔ 健全な判断力と明晰な論理的訓練の必要性(高次の自我が必要な能力)
(行法:健全な理性法則と道徳法則)
・胎児が母胎の中で育つように、霊的人間は物質界の自我の中で育つ
(高次の自我もすでに地上生活の間に霊的な法則によって生きている)
・修行者は人生の法則、すなわちカルマを認識する(輪廻転生とカルマの法則)
【文責:学級委員 岡田隆】
来年の開催予定日
第9回 1月31日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)
第10回 2月21日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

『オカルティズムと現代』H27年度第7回の報告と次回の開催日程平成27年12月6日(日)

『オカルティズムと現代』第7回の報告と次回の開催日程について
11月8日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室にて第7回を開催。出席者5名。
自由発言で話題となった事項(私的コメントを含む);
・松本道別(1872~1942):治療を捨てた野口晴哉の師としてウィキペディアなどを参照。
(治療を捨てることで暮らしが成り立たなくなったのではないか?)
・現代の世界情勢の中で日本及び日本人をどう見ているか?(例えば中国・ロシア vs.USA)
 → 正義と悪という二元論的観点からは把捉できない歴史的徴候
 そのような現代に生きる「個としての人間の自由」がシュタイナーにとっても大きな問題であった。
 時代と個人との関わり方を一般論として括ることは論外であり、他者において目覚めるという自我レベルでの試みが世界的なレベルとどう関係し得るのか?
・所謂「ヤラセ」に見るメディア(マスコミ)の危うさとイイカゲンさ。
・農地解放の前と後での自作小作の在り方の多様性(地域問題と関連して)
以下は『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋(「神秘修行の諸条件」P.123~138);
・その師と同じ道を歩むつもりがあるかどうかは、個人の自由な意志に委ねられている。
・(具体的な実践の)条件は確かに厳しいが、しかし過酷ではない。そしてその条件を充たすことは常にひとつの自由なる行為であるべきだし、そういう行為であらねばならない。(修行は内なる生活の育成である)
・以下の諸条件のどの場合にも、それを完全に充たすことではなく、それを充たそうと努力することが求められている。~ ただこの道を歩み続けようという意志と心構えだけが大切なのである。
①肉体と精神の健康に留意すること(自主性に基づいた健康への意志)
 特に重要なのは完全な霊的健康のための努力である。(明瞭で着実な思考・確かな感性や感情)
②自分を全体生命の一部分であると感じること(各人がそれを自分流に充たしていけばよい)
 自分が全人類の単なる一部分ではあるが、そのような部分として、生起する一切の出来事に対する責任をも分有しているのだ、… ~ 自己改革は各人の内面の問題としてのみ始められねばならない。
 神秘修行者は社会の表面においてではなく、魂の内奥において判断しなければならない。
③自分の思考と感情が世界に対して自分の行為と同じ意味を持つ、という立場に立つ
 個人の内面世界の世界的意味を信じることができぬ間は神秘修行者となる資格がない。
④人間の本質が外観にではなく内部に存するという観点を獲得する
 ⇒ 内的な義務と外的な成功とを区別することがはじめてできるようになる。
(中庸の道 /「精神の天秤」:「開かれた心」⇔「内的確信と不退転の持続力」)
⑤一旦決心した事柄は忠実にこれを実行する
 高次の世界にとっては、もっぱら行動に対する愛だけが決定的である。
(欲望からなされた一切の行動は高次の世界にとって価値を持たない → 供犠に自らを捧げる用意)
⑥自分に向ってくるすべての事柄に対する感謝の気持ちを養うこと
 自分の存在は全宇宙からの贈り物である。(高次の認識に到るのに必要な慈悲心を育てる)
⑦人生をこれらの条件にふさわしく形成すること(①~⑥の統一)
・すべて内なるものは外においても自己を全うしなければならない(神秘修行も外的表出をもたずには存在しえない)
・悪意に対するもっとも正しい戦い方は善意を実現することにある
・創造活動と敬虔な態度、この二つを尊重することが神秘修行者に求められる基本感情である
・成功への愛ではなく、努力への愛だけが進歩を促す
・神秘道においては、学ぶという行為がすべてなのである(学び続けようとする意志が問題なのである)
 (静かで敬虔な傾聴が必要になってくる)
・真理内容も高次の生命もすべて人間の魂に内在しているから、各人はそれを自分で見出すことができる
【文責:学級委員 岡田隆】
次回の開催予定日
第8回 12月6日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

『オカルティズムと現代』H27年度第6回の報告と次回の開催日程平成27年11月8日(日)

『オカルティズムと現代』第6回の報告と次回以降の開催日程について
10月4日(日)14:00~17:00 YCAM2F多目的室にて第6回を開催。出席者6名。
自由発言で話題となった事項と科目に関連した考察など;
・同窓生の集まりによって生じた過去への回想とその心身への影響について。
(記憶の担い手であるエーテル体は時間的本性であり記憶は現在に甦る。内的生命となった記憶が呼び覚ます悔恨羞恥などの負の感情への対応(回避するか対峙するか)は現在の自分の問題となる。)
・発せられた言葉(発語あるいは書かれた言葉)は何処から来ているのか?
その人の意識化された私的根拠からなのか、意識化されていない深部からなのか、個を超えた理想への欣求からなのか、あるいは時代の波を受けた表層反応からなのか? 更には、それを映すこちら側は何処に立ってそれを聞いている(読んでいる)のか? 固定化できない主客の在りようの中に生動する勘所を正しく感知できるかどうか?
・野口整体に限らず、所謂「道」や「術」に秘められた口伝不能の勘所を単なる技と捉えると要所を大きく見損なう。
例えば「合掌行気」を『整体入門』に記された形としてのみ真似たところで整体に通じるかどうかは疑問である。
「気を通す」にしても、言葉では不可得の体験内容こそがその一語を支えており、それなくして技はない。
・体験者には明らかでありながら外からは秘められているかのように見える叡智を本来「オカルト」と称した。
シュタイナーの著作は、魂的霊的世界の体験内容を言語化するという苦闘の精華であり、それを読むことは(単なる知的好奇心の満足に留まらず)言葉を通して更なる内奥の体験へと到る修行とならざるを得ない。
一見理解しやすい『整体入門』もそのような体験内容からの読みを要する精華ではないか。
・Aさんから「化膿活点」の操法ほかを受けたことでそのことを実感。
誰もが野口のような天才ではありえず、また、被験することがそのまま操法に転ずることも困難だが、シュタイナーの神秘学と野口整体は東西の観点の違いを照応させながら「人間」の本質から離れることがない。
それに関連して仏陀の「ヴィパッサナ瞑想法」も併せて紹介。
・個人の性向、感受と観点(立場)の相違がそれぞれの世界観人生観に反映している。
資料としてシュタイナーの「十二の世界観図」「十二の感覚と七つの生命活動」の写しを配布(出典は高橋巖『神秘学講義』角川選書/1980年)

以下は『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋(「実践的観点」P.109~122);
・感情と思考と気分を育成していくと、自然が肉体に与えたような分節化を、魂と霊に与えることができる。
・第一に忍耐することを特別に学ばねばならない。あらゆる種類の焦りは人間の中に微睡んでいる高次の能力を麻痺させ、時には死滅させる。「まったく静かに待ち続けるつもりだ。」
・神秘道の修行は…、感情と思考のいとなみの静かで繊細な過程の中で進められる。
・何をおいても要求と欲望を沈黙させねばならない。(修行の過程で高次の認識を要求することは許されないのだ。)
・自分自身の欠点、弱点もしくは無能な点を誠実な眼で直視しなければならない。
(自分の欠点や弱点を克服する道はただ一つ、それを正しく認識することである。)
・神秘学徒はあらゆる種類の好奇心を捨て去らねばならない。
・神秘修行の完成には特に願望の在り方の教育が必要である。
「何が正しいのかを認識する以前には、どのような願望ももち得ない」(鉄則の一つ)
・怒ったり、不機嫌になったりするときの私は魂の周囲に壁を巡らし、霊眼を育てる力が私の中へ入って来られないようにしている。(常に怒りを克服しつつ、忍耐強い前進を続けなければならない。)
・恐怖.迷信.独断.虚栄心.功名心.好奇心.饒舌など、さらには身分や性や人種のような外的特徴から人を区別する態度もまた克服されなばならない。
・その話題に対して自分が言おうとする事柄よりもむしろ相手の意見や感情、さらにはその偏見にさえもより以上の敬意を払わねばならない。(細心の注意を払って努力すべき繊細な配慮)
 ⇒ 一切の神秘修行の主要手段の一つである温和さを獲得する。
・真の忍耐の中での温和と寡黙とは魂のために魂界を、霊のために霊界を開示してくれる。
「ふさわしい成熟に達したなら、いつかはそうあるべき自分になるであろう」
・神秘修行を始める際の環境の問題について;(大自然 / 都会生活の中での神秘学の教え)
【文責:学級委員 岡田隆】

次回以降の開催予定日
第7回 11月8日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)
第8回 12月6日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

『オカルティズムと現代』H27年度第5回の報告と次回の開催日程平成27年10月4日(日)

『オカルティズムと現代』第5回の報告と次回の開催日程について
9月6日(日)14:00~16:20 YCAM2F多目的室にて第5回を開催。出席者5名。
自由発言で話題となった事項(敬称等略);
・写真からも見て取れる霊能者の霊格(友清歓真・出口王仁三郎ほか)
・国家試験「通訳案内士」と東京オリンピック(福島原発事故の影響も含めて)
・「前世療法」と死後の世界(霊界と睡眠意識)
・保江邦夫と冠光寺流柔術(合気道の決めと宗教的な決めの違い)
・宮沢賢治とヘッケル(「青森挽歌」をめぐって)~シュタイナーとヘッケル
以下は『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋(「霊界参入」P.91~107);
・人はその成熟の度合いに応じた程度でしか存在の秘密を本当に経験することはできない
(霊界参入の門前で未来の諸経験が何か別の仕方で代償される必要がある=「試煉」Proben)
・第1の試煉「火の試煉」:「直観」の獲得 /「霊的燃焼過程」によってヴェールが脱げ落ちる
(一層偉大にして真実なる自己信頼、一層高次の勇気と持久力、新しい種類の魂の偉大さを獲得する)
 ⇒ 神秘修行と結びついている文字体系の解読(オカルト文字の解読)
(この記号法を通して生活上の特定の規準をも学ぶ → 或る種の義務に気づく)
・第2の試煉「水の試煉」:高次の世界の中で自由に確実な行動がとれるかどうか
(何も外的な誘因が存在しない / 行為する人間を支えてくれるものがどこにもない)
 自制心を育成する無数の機会に出会うー願望欲望性向がその事象に対する影響力を持っている
(特別重要な特質は無条件に健全で確実な判断力である / 真実だけを規範としなければならない)
・第3の試煉「風の試煉」:まったく独りになって自分で道を見出さねばならない
(自分の「高次の自我」をこの試煉の間に見出さねばならない → 唯一確実な支点)
 無条件的な霊の顕現を実現することを目的とする
〔いずれの試煉も日常生活そのものがその道場である〕
・試煉の通過 ⇒「高次の認識の神殿」へ
「神秘修行者は神秘教義の秘密を決して他人に漏らさぬという誓いを立てねばならない」
(これまでの語り方で語ることをやめて沈黙する /「誓い」とは責任を担うことができるまでに成熟したということ)
・「忘却の飲み物」:いつでも霊的な働きに集中できる方法の伝授(思い出というヴェールを取り除く)
 すべての新しい体験をその体験から評価できる能力(過去の経験によって曇らされない)
・「記憶の飲み物」:高次の秘密を常に精神の中に生かし続けることができる
(高次の真理内容が全く自然に血肉化する)
【文責:学級委員 岡田隆】
次回の開催予定日
第6回 10月4日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

『オカルティズムと現代』H27年度第4回の報告と次回の開催日程平成27年9月6日(日)

『オカルティズムと現代』第4回の報告と以降の開催日程について
8月2日(日)14:00~16:20 YCAM2F多目的室にて第4回を開催。出席者6名。
・Yさんから自作資料「食用油について」の提供、併せてその説明を受ける。
(山嶋哲盛著『そのサラダ油が脳と体を壊してる』の要約一覧表)
・「不食」についての討議:ジャスムヒーン.秋山佳胤.森美智代(敬称略)への言及と紹介から「食」(食べること)についての意見交換と論議へ発展。
「食」あるいは「不食」をどのように捉えるかという観点の相違から一見の対立が生じるが、物質(栄養)レベルでの「食う」ことと「霊格」に関わる「不食」とは自ずから立場は異なってくるだろう。
以下はそれに関連しての私的メモ:
一方には美食過食飽食など欲望の極、他方には完全不食という極を置くとき、その間の種々相に人の食の実際を見ることができる。あるいは、「生命」維持レベルでの食べることの必須と霊的覚醒による「プラーナ」食とを両極として、その間に各人の食の実際と志向を見ることができる。
シュタイナーの言葉を用いれば、〈肉体-エーテル体〉と〈アストラル体-自我〉という一見対立的な2組(4つの本性)が人間の本質であり、自我の覚醒によって(欲望の担い手である)〈アストラル体〉の浄化が始まり〈エーテル体〉〈肉体〉へと霊的変容を進めるのが神秘学の修行の道である。(アストラル体⇒霊我 / エーテル体⇒生命霊 / 肉体⇒霊人)
生命維持はエーテル体の自然であり、欲望はアストラル体と小自我に発する。「不食」が意志(自我)によって食欲を制御することから始まり、エーテル体の本源である「プラーナ」への帰入に向かう道であるのなら、単に食いたいものを食わないという次元での話ではあるまい。(禁欲も欲望に囚われた一形態である場合が少なくない。)
しかし、食べたくても食べることののできない、死にゆく人を前にしては「不食」の観点は生じ得ず、「生」に組み込まれている「食」が問われることになる。(死は須らく餓死ではあるまいか?)
死にゆく人間と関わらざるを得ない野口整体は、厳然として「生きている人間」と相対し、死して後もその人(その生の気圏)と共に生き続けるのではないか?
以下、『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋略述(「開悟」P.66~90):
・最初は一定の仕方でさまざまの自然存在を考察することから始める。
(石と動物との比較:思考内容への集中→魂の中に二つのまったく相違した感情が生じる)
・この感情並びにこれと結びついた思考から霊魂の知覚器官(霊眼)が作り出される。
・さらに植物の観察を加える…石と動物とに由来する感情の中間に位置づけられる。
・自分の生活環境や社会的義務が許す以上の時間と精力を修行に用いるべきではない。
(神秘修行のために社会的な生活環境を一時的にせよ変化させてはならない)
・勇気と自信こそは神秘学の途上で決して消してはならぬ二つの光である。
・感情と思考という自分に身近な働きから出発しなければならない。
「感情と思考には最高の秘密が隠されている。そのことにまだ気づくことができなかった。」
・人間は常に体と魂と霊の存在として生きている。
(神秘学徒は体を意識するのと同じくらい明瞭に魂と霊とを意識化しようと努める)
・霊的知覚能力が開発される具体的な道の一つ:植物の種への集中
(熟視し思考作業を行うー想像力を行使してその姿を作り上げる)
・不可視的なものに感情と思考のすべてを集中しなければならない。
(思考する内容を感情の内容にする:一つの思考内容だけを集中的に体験する)
・無数の試みの後で一つの力を自分の内部に感知するようになるであろう。
(種がこの感覚的‐霊的な直観によって一種の焔として知覚される)
・認識の小道の難所ー真偽を区別する健全な感覚を常に養う必要がある。
(何ものにも乱させぬ不動心と曇らされぬ感覚の保持)
・別の思考と感情の行による継続:新しい直観
(咲き誇った花→枯れ死ぬ植物→種)
・「色」(オーラ)の霊的知覚:生成と消滅の相~出生と死の秘密
(出生と死とは存在のひとつの変化の相であるに過ぎない)
・人間自身の観察へ向かうー道徳的性格の純化を要する
「神秘学の真理に向って汝の認識を一歩進めようとするなら、同時に善に向けて汝の性格を三歩進めねばならない。」(神秘学の黄金律)
・人物の欲求に注意を向ける(その記憶像に沈潜する)→ ひとつの感情
(他人の魂の状態を霊的に直観する力ーアストラル的な姿が立ち現われる)
「汝の霊的体験については沈黙することを学べ。」(神秘学徒の鉄則)
・願望の充足.期待の実現をどのようにして持つことができたかを観察する。
(思考内容が現実的な力であることを確信できなければならない)
・一切の人間的なものに対する畏れと恥らいの感情がわれわれを充たしていなければならない。
・ふさわしい勇気と大胆さが霊界参入には特に必要なのである。
(高次の秘密は感覚のヴェールによって覆われている)
・宇宙の力は破壊的で建設的である。外界のすべての事物は生成し死滅する。
(人間自身の本性の中に破壊と建設の力が共存している)
「また失敗してしまった。しかしそれを忘れてしまおう。そして何事もなかったように新しい試みを始めよう。」
(過去のどのような経験も未来への努力を妨げてはならない)
・世界の事物の名をその神的創始者の精神に従って名づけることを学ぶことに霊界参入の本質がある。
(名前の中に事物の秘密が隠されている)
【文責:学級委員 岡田隆】
以降の開催予定日
第5回 9月6日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)
第6回 10月4日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

『オカルティズムと現代』H27年度第3回の報告と次回の開催日程平成27年8月2日(日)

『オカルティズムと現代』第3回の報告と次回の開催日程について
7月12日(日)14:00~16:15 YCAM2F多目的室にて第3回を開催。出席者8名。
2名の新規参会者を迎え活況を呈する。
・パーム油とココナツオイルの違いは何処にあるのか、など身近な発言から開始。
・井本邦昭氏の活動紹介から野口整体の現況へと話題が及ぶ。
(受ける側の能力不足等による相伝の難しさと我流に伴う崩れる方向への拡散)
 野口晴哉の愛弟子と五井昌久(白光真宏会)の関係について言及あり。
 また、甲野善紀氏の活動が今「天狗」として触れられる。
・Aさんから「動法」についての教示を受ける。(力の抜けた手刀・九字の切り方)
・その他の話題:
 「田布施」と「踊る神様」(北村サヨと天照皇大神宮教)
 「生長の家」(谷口雅春)
 「千島学説」(造血器官は小腸絨毛である、など)
以下、『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋(「準備」P.55~65):
・準備の段階では感情と思考とがまったく特別の仕方で育成される。この育成を通して、魂体と霊体とに高次の感覚機能や活動器官が与えられる。
・準備段階に必要なのは、人がまったく意識的にこの二つの生命の相に注意力を集中することなのである。
(植物の二つの相:生長と生成ー衰微と死滅 … 独自の感情形式を内的に体験する)
・大切なのは完全なる内的平静を保ちながら、感情と思考の両方に注意力を集中することである。
・事物が何を意味するかを思弁的な悟性の力で決定しようとしてはならない。事物そのものに語らせねばならない。
・高次の諸世界での位置確認:生長と死滅の間を縫って進む道
(感情や思考が現実的な事実なのだという意識を身につける)
・音の世界もまた行の対象になる(音による心情の行:無生物の音と生物の声)
・音を発する存在自体の中で営まれるものだけが魂を充たすまでに到らねばならない。
・全自然がその響きを通して人間に秘密(自然の意味深い言語)をささやく。
・特別の重要さをもつのは他の人間の語る言葉に耳を傾ける仕方である:傾聴
(自分自身の内なるものを完全に沈黙させる習慣をつける必要)
・特に細心の注意を払って観察せねばならないのは、意識の表面に現れて来ない、魂の奥底にひそむ感情の動きである。
・相手の言葉を聴く行為を通して相手の魂の中へ自己を移し入れる。
(相手の本質的部分と融合し同化する)
・自然音との行と結びつくときに生じる新しい聴覚(「内なる言葉」のための知覚能力)
・全ての神秘修行にとって、この(神秘学の教義)研究は必要条件に数えられる。
【文責:学級委員 岡田隆】
次回の開催予定日
第4回 8月2日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

『オカルティズムと現代』H27年度第2回の報告と次回の開催日程平成27年7月12日(日)

『オカルティズムと現代』第2回の報告と次回以降の開催日程について

6月14日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室にて第2回を開催。出席者5名。
「野口体操」の受講経験のある新規参会者から「野口整体」との関わりについて質疑あり。
野口三千三(みちぞう・1914~1998)と野口晴哉(はるちか・1911~1976)に直接的な交流があったとは思えないが、人間の身体の観方には相通じるところがある。
整体師Aさんの回答によれば、揺らしの弛緩は活元運動(相互運動)と通じる、など。
また、YouTube で整体の現状を参照されたAさんから種々の慨嘆あり。
以下は私見である;日本古来から連綿と伝えられて来た見えざる多くの流れが野口晴哉によって統合されたところに整体という大きな河が顕われ、没後そこから多くの支流が分派したのが現在の整体の状況であろう。
同様にして、古代ペルシャからエジプト・ギリシャなどの古代密儀、あるいはキリスト教神秘主義やグノーシスからフリーメーソン・薔薇十字会など多くの流れがシュタイナーによって統合されたところにシュタイナー神秘学(人智学)が顕われたと見ることもできる。
一人の傑出した人物が現われる以前の多くの霊脈もまた大きく「オカルティズム」と総称できるが、西洋にあってはキリストの出現によって正統と異端が生じ相対立することとなり、オカルティズムの霊統は異端の中で潜伏流となって現代にまで及んでいる。
そのように、多くの支流が集まり大河となって後、そこからまた多岐に分れてゆくという展開は(人物にとどまらず)精神的文化的なあらゆる分野において観察できる。(統合的な存在として、例えばゲーテ・シェークスピア・源氏物語・世阿弥・利休・大本教etc.)
この展開を、見えなかった霊的な本質が顕われやがて物質的に硬化拡散してゆく経過と見るとき、水は低きに流れるほかはなく、水自体が自らの来歴や劣化を自覚しているかどうかは定かではない。
整体に関しては治療を捨てた野口の天才と、没後に分派展開して来た多くの整体術とを照らし合わせると、露わになるのは稼業としての整体であり、そこに問われるのは野口が受けまた野口から受けた魂の存在の有無だろう。
それを「霊統」と呼ぶならば、現代の日本においてシュタイナーの霊統を受けるとはどういうことであり、またどういうことになるのか?
問題は(分岐集散の果ての)現代の末期症状のさ中にあって、個人としてどのようにその流れを相渉ってゆくか、という一点にある。
中盤、Aさんから参会者全員が整体操法(愉気)を受ける:化膿活点(テキストP.183)
私見:各人各様の刻々の生命の営みがあるだけで固定的なツボなどは方便にすぎない。
その他、合掌行気と「なじむ」感覚など。
終盤、福島原発と隠された日本の現状、併せて飯山一郎氏とその活動が話題となる。
それを受けてAさんが放射線除去の操法を披露。
以下、『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの引用:
「内的平静の瞬間を確保し、その時間の中で本質的なものと非本質的なものとを区別することを学べ」(P.38)
内なる自己静観の価値は、その時何が観察されるかよりも、このような不動なる心によって開発される力が自分の中に見出せるかどうかにかかっているのである。(P.41)
【文責:学級委員 岡田隆】

次回の開催予定日
第3回 7月12日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

第4回 8月2日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
 『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)

『オカルティズムと現代』H27年度第1回の報告と次回の開催日程平成27年6月14日(日)

オカルティズムと現代』第1回の報告と次回の開催日程について
5月17日(日)14:00~16:30 YCAM2F多目的室にて第1回を開催。出席者6名。
基礎テキスト(2冊):①『整体入門』(ちくま文庫)➁『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)
整体師Aさんから(野口整体の)「愉気」の照応する(シュタイナーの)記述が示される:「その物体を物質的にまったく透明化することができる。」(➁ P.166最終行)
即ち「愉気」とは、アストラル器官であるチャクラの開発(覚醒)によってエーテル体から肉体にまで気が及ぶ操法と見做すことができる。
Aさんが整体師として操法されてきた実感がシュタイナーによって言語化されているとのこと、謂わば、東洋的な(言葉では伝授不可能な)以心伝心の技が、西欧のロゴス的原語によって裏打ちされたことになる。
「愉気」と併せて「行気」についても、テキスト①を読んだだけでは理解できない内的な感覚を、A氏の指導によって実感。(鎖骨行気・腹部行気ほか、Aさんの感応と教示に従って参会者が順に自らの硬結あるいは整体を実体験。)
また、野口晴哉の「天心」あるいは「宇宙の気を通す」をシュタイナーの「霊的合一」と照応させることもできるだろう。
今年度は月1回2時間の枠内で整体の実践を伴う講座となるが、「研究会」の範囲内で何処まで展開できるかが問われる。もとより整体施術の場ではないので「自分で自分の面倒をみることができる」ところまで行けるかどうかが各員の一つの目安になるだろう。
初回の実践に関わり、テキスト➁から「条件」の根本命題を記す:「あなたの求めるどんな認識内容も、あなたの知的財宝を蓄積するためのものなら、それはあなたを進むべき道からそらせる。
しかしあなたの求める認識内容が人格を高貴にし世界を進化させるためのものであるなら、それは成熟への途上であなたを一歩前進させる」(P.35)
【文責:学級委員 岡田隆】

次回の開催予定日
第2回 6月14日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)