『オカルティズムと現代』H27年度第4回の報告と次回の開催日程平成27年9月6日(日)
『オカルティズムと現代』第4回の報告と以降の開催日程について
8月2日(日)14:00~16:20 YCAM2F多目的室にて第4回を開催。出席者6名。
・Yさんから自作資料「食用油について」の提供、併せてその説明を受ける。
(山嶋哲盛著『そのサラダ油が脳と体を壊してる』の要約一覧表)
・「不食」についての討議:ジャスムヒーン.秋山佳胤.森美智代(敬称略)への言及と紹介から「食」(食べること)についての意見交換と論議へ発展。
「食」あるいは「不食」をどのように捉えるかという観点の相違から一見の対立が生じるが、物質(栄養)レベルでの「食う」ことと「霊格」に関わる「不食」とは自ずから立場は異なってくるだろう。
以下はそれに関連しての私的メモ:
一方には美食過食飽食など欲望の極、他方には完全不食という極を置くとき、その間の種々相に人の食の実際を見ることができる。あるいは、「生命」維持レベルでの食べることの必須と霊的覚醒による「プラーナ」食とを両極として、その間に各人の食の実際と志向を見ることができる。
シュタイナーの言葉を用いれば、〈肉体-エーテル体〉と〈アストラル体-自我〉という一見対立的な2組(4つの本性)が人間の本質であり、自我の覚醒によって(欲望の担い手である)〈アストラル体〉の浄化が始まり〈エーテル体〉〈肉体〉へと霊的変容を進めるのが神秘学の修行の道である。(アストラル体⇒霊我 / エーテル体⇒生命霊 / 肉体⇒霊人)
生命維持はエーテル体の自然であり、欲望はアストラル体と小自我に発する。「不食」が意志(自我)によって食欲を制御することから始まり、エーテル体の本源である「プラーナ」への帰入に向かう道であるのなら、単に食いたいものを食わないという次元での話ではあるまい。(禁欲も欲望に囚われた一形態である場合が少なくない。)
しかし、食べたくても食べることののできない、死にゆく人を前にしては「不食」の観点は生じ得ず、「生」に組み込まれている「食」が問われることになる。(死は須らく餓死ではあるまいか?)
死にゆく人間と関わらざるを得ない野口整体は、厳然として「生きている人間」と相対し、死して後もその人(その生の気圏)と共に生き続けるのではないか?
以下、『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの抜粋略述(「開悟」P.66~90):
・最初は一定の仕方でさまざまの自然存在を考察することから始める。
(石と動物との比較:思考内容への集中→魂の中に二つのまったく相違した感情が生じる)
・この感情並びにこれと結びついた思考から霊魂の知覚器官(霊眼)が作り出される。
・さらに植物の観察を加える…石と動物とに由来する感情の中間に位置づけられる。
・自分の生活環境や社会的義務が許す以上の時間と精力を修行に用いるべきではない。
(神秘修行のために社会的な生活環境を一時的にせよ変化させてはならない)
・勇気と自信こそは神秘学の途上で決して消してはならぬ二つの光である。
・感情と思考という自分に身近な働きから出発しなければならない。
「感情と思考には最高の秘密が隠されている。そのことにまだ気づくことができなかった。」
・人間は常に体と魂と霊の存在として生きている。
(神秘学徒は体を意識するのと同じくらい明瞭に魂と霊とを意識化しようと努める)
・霊的知覚能力が開発される具体的な道の一つ:植物の種への集中
(熟視し思考作業を行うー想像力を行使してその姿を作り上げる)
・不可視的なものに感情と思考のすべてを集中しなければならない。
(思考する内容を感情の内容にする:一つの思考内容だけを集中的に体験する)
・無数の試みの後で一つの力を自分の内部に感知するようになるであろう。
(種がこの感覚的‐霊的な直観によって一種の焔として知覚される)
・認識の小道の難所ー真偽を区別する健全な感覚を常に養う必要がある。
(何ものにも乱させぬ不動心と曇らされぬ感覚の保持)
・別の思考と感情の行による継続:新しい直観
(咲き誇った花→枯れ死ぬ植物→種)
・「色」(オーラ)の霊的知覚:生成と消滅の相~出生と死の秘密
(出生と死とは存在のひとつの変化の相であるに過ぎない)
・人間自身の観察へ向かうー道徳的性格の純化を要する
「神秘学の真理に向って汝の認識を一歩進めようとするなら、同時に善に向けて汝の性格を三歩進めねばならない。」(神秘学の黄金律)
・人物の欲求に注意を向ける(その記憶像に沈潜する)→ ひとつの感情
(他人の魂の状態を霊的に直観する力ーアストラル的な姿が立ち現われる)
「汝の霊的体験については沈黙することを学べ。」(神秘学徒の鉄則)
・願望の充足.期待の実現をどのようにして持つことができたかを観察する。
(思考内容が現実的な力であることを確信できなければならない)
・一切の人間的なものに対する畏れと恥らいの感情がわれわれを充たしていなければならない。
・ふさわしい勇気と大胆さが霊界参入には特に必要なのである。
(高次の秘密は感覚のヴェールによって覆われている)
・宇宙の力は破壊的で建設的である。外界のすべての事物は生成し死滅する。
(人間自身の本性の中に破壊と建設の力が共存している)
「また失敗してしまった。しかしそれを忘れてしまおう。そして何事もなかったように新しい試みを始めよう。」
(過去のどのような経験も未来への努力を妨げてはならない)
・世界の事物の名をその神的創始者の精神に従って名づけることを学ぶことに霊界参入の本質がある。
(名前の中に事物の秘密が隠されている)
【文責:学級委員 岡田隆】
以降の開催予定日
第5回 9月6日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)
第6回 10月4日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)