まちの未来・イメージ工房 平成27年度第7回ゼミの御案内12月19日(土)

やまぐち街なか大学 IDOM
まちの未来・イメージ工房
―平成27年度第7回ゼミの御案内―
12月19日(土) 14:00~15:30
コーディネーター 前田哲男氏(山口県立大学教授)
テーマ :「補助金から交付金・補助人へ」
会 場 小郡地域交流センター 実習室
    (住所:山口市小郡下郷609番地1)
駐車場 有り
参加料 無料
【お問合せ先】 イメージ工房学級委員 棟久
TEL 090-7130-6213  E-Mail iria@c-able.ne.jp

やまぐち街なか大学 平成27年度
まちの未来・イメージ工房(第7回) 開催記録メモ

1 日時及び場所
平成27年12月19日(土) 14:00~15:30  小郡地域交流センター・実習室
2 開催テーマ  補助金から交付金・補助人へ
3 内 容
本日のゼミでは、第4章「今、現場には何が必要か」の前半部分を要約した資料などにより、前田先生からお話がありました。

著者はここで改めて「内発性」「総合性・多様性」「革新性」について論じています。簡単に言うと、「内発性」は地域住民が当事者意識を持つこと。「総合性・多様性」は支援策の柔軟性(特に資金使途の自由度)を高めること。「革新性」はそもそも地域づくりには変革~創造というような要素が備わっていることを理解していることです。
このようなことを意識した支援は、国レベルではなく地方自治体から始まりました。著書の中では、次の特徴を持つ鳥取県の中山間地域活性化推進交付金が紹介されています。
① 交付金の使途は、ソフト事業とハード事業の両者にわたり制限はない。
② 地域は、交付金の3年間の年度配分を事業中に変更することができる。
③ 事業の申請用件は、その地域で「ワークショップ的なものを行うこと」だけである。
④ 採択の審査は、地域住民のプレゼンテーションに対して採点方式で行う。
このような新しいタイプの支援策が県レベルで見られるようになる前に、鳥取県内では市町村レベルでの挑戦がありました。それは智頭町の「ゼロ分のイチ運動」、すなわちゼロ(何もないところ)からイチ(何か)を創りだす運動です。鳥取の町と県で生まれたこれらの支援策には、「内発性」「総合性・多様性」「革新性」という地域づくりの本質的要素を促進する意図が埋め込まれています。その結果、いずれのケースでも、①主体性を促進するボトムアップ型支援、②長期にわたる支援、③自由度の高い支援という特徴を持っています。逆に考えれば「行政の押し付けによる支援」「使途が厳しく制約されている支援」「単年度の一回限りの支援」が、地域づくりに相容れないことは明らかです。

ゼミの中では、行政の地域マネジメントのあり方について意見交換しました。新しい支援策を実行するためには、制度や規制の運用だけではなく、個別の事情に踏み込み、積極的にかかわることが必要になります。しかし、「自治体職員が陥りやすい勘違い」について、椎川忍著『地域に飛び出す公務員ハンドブック』に次のように例示されています。
① 現場の本当の問題や住民の生の声を踏まえずに、国などがつくった既存の法令や制度を忠実に運用することで仕事をした気持ちになる。
② 実体験に基づくことなく、また、相手の立場や苦しみを理解せずに、机上の理屈だけを言って、規則や制度などを守って良かったという気持ちになる。
③ 公平・公正を担保するという建前に縛られすぎて、自助努力して頑張っている人を、自助努力もしないで依頼心ばかり強い人たちと一緒にしてしまって応援しようとしない。
優れた地域づくりを行うためは、この逆が自治体職員の働き方となるのは明らかです。

◎本日のゼミで学んだこと
自治体職員よ。大志を抱け!