まちの未来・イメージ工房 平成27年度第4回ゼミの御案内9月13日(日)

やまぐち街なか大学 IDOM
まちの未来・イメージ工房
―平成27年度第4回ゼミの御案内―
次回のゼミ開催日程が決まりましたので、ご案内いたします。皆様のご参加をお待ちしています。
9月13日(日)14:00~15:30
コーディネーター 前田哲男氏(山口県立大学教授)
テーマ :中国山地の挑戦①
会 場 小郡地域交流センター1階 実習室 (予定)
    (住所:山口市小郡下郷609番地1)
駐車場 有り
参加料 無料
【お問合せ先】 イメージ工房学級委員 棟久
TEL 090-7130-6213  E-Mail iria@c-able.ne.jp

やまぐち街なか大学 平成27年度
まちの未来・イメージ工房(第4回) 開催記録メモ
1 日時及び場所
平成27年9月13日(日) 14:00~15:30  小郡地域交流センター・実習室
2 開催テーマ  中国山地の挑戦①
3 内 容
本書の第3章では、中国山地の挑戦として3カ所ほど事例が紹介されています。本日のゼミでは、地域づくりの先発事例として紹介されている山口市仁保地区の部分について、前田先生から要約した資料等によりお話がありました。
筆者は、仁保地区の取り組みは2001年度の農林水産祭(むらづくり部門)で天皇杯を受賞するなど、様々な局面で脚光を浴びる先発事例である。そこには、産業、生活、環境面での切れ目ない取り組みが行われ、さらに活動の担い手の世代交代も果たしているという特徴を見ることができるとしています。
仁保地区では1969年に仁保地域開発協議会が設立されました。開発協議会は、まず最初に山口大学農学部の中山教授に調査を依頼し、「地域開発の基本計画」を作成しました。その計画には、地域づくりの基本理念が「近代的いなか社会の創造」というスローガンにまとめられています。これは「できるだけ多くの住民参加を得ながら、生活環境の近代化とともに人情豊かないなか社会と農業を大切にするむらづくり」を意味しています。そして、「農業を大切にするむらづくり」と「子ども達に郷土の教育をする」という方針が定められています。
仁保地区の地域づくりは、開発協議会が設立されてから45年、その設立準備過程から数えれば約半世紀になろうとしています。その過程では何代かの世代交代がありましたが、先人達の築いた独自の哲学を今日まで貫き通し、地域づくりが長期にわたり持続する可能性を持つことを示す事例です。

ゼミの中では、現在山口市が意見募集している「山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)」のことが話題になりました。この総合戦略(案)には、国が用意した政策パッケージを受けた「やまぐち地方創生100プロジェクト」が掲載されています。
しかし、100個もの事業があると何を重点的に取り組んでいくことになるのか、市民には分かりにくいという意見がありました。そこで、もう一歩踏み込んで各事業の優先順位を決める作業を行うと、今後の山口の未来の運命を握る戦略的な事業を市民と行政が共有できるようになるのではないでしょうか。
◎本日のゼミで学んだこと
難しいことはシンプルにする。

まちの未来・イメージ工房(第3回) 開催記録メモ
1 日時及び場所
平成27年8月9日(日) 14:00~15:30  小郡地域交流センター・実習室
2 開催テーマ  地域づくりのフレームワーク
3 内 容
本日のゼミでは、第2章「地域づくりの歴史と実践」の後半部分について、前田先生から要約した資料等によりお話がありました。
筆者は、鳥取県智頭町の事例から導いた「地域づくりのフレームワーク」を示し、今日求められている地域づくりは、「内発性」「総合性・多様性」「革新性」という装いを持ち、地域の新しい価値の上乗せを目標としながら、「主体」「場」「条件」の3つの柱を地域条件に応じて巧みに組み合わせることだとしています。
第1の柱は主体づくりを意味する「暮らしのものさしづくり」です。地域をつくるのは自らの問題だという当事者意識と、自らの暮らしをめぐる独自の価値観(郷土料理、景観、人情や価値観)を再構築していくことです。
第2の柱は場づくりを意味する「暮らしの仕組づくり」です。集落は「守り」、広域コミュニティは「攻め」の機能を果たし、買い物や交通など、民間で経営を継続できなくなったサービスを代替する生活諸条件を整えていくことです。
第3の柱が持続条件づくりに相当する「カネとその循環づくり」です。公共事業に依存しない農業を含む地域産業の育成により、地域内再投資力のある新たな経済循環を形成していくことです。
今後の地域づくりにおいて著者は、「都市農村交流」の果たす役割に期待しています。それは都市住民が鏡となり農山村の宝を映し出す「交流の鏡効果」を通じて「暮らしのものさしづくり」に貢献するのに加え、交流産業として「カネとその循環づくり」に直接つながっていくからです。つまり、地域づくりが「交流」というループを使い、より高いものへと引き上げられることになるのです。
ゼミの中では、新しい公共を担う「広域コミュニティ」のことが話題になりました。これは本市でいえば「地域づくり協議会」に相当します。高齢化により集落の諸機能が低下する中で、地域づくり協議会が住民の「暮らしの仕組みづくり」に関して「攻め」の機能を果たせるようになるには、自治会のように戸主の集まる家連合ではなく、地域内に暮らす人々が個人単位で参加できる仕組みや、地域にかかわろうとする都市住民、NPO等も受入れられる仕組みを持つようにしていくことが求められるようです。
◎本日のゼミで学んだこと
次の世代のための「仕事」と生きる「場所」を準備する。