『オカルティズムと現代』第2回の報告と次回以降の開催日程について
6月14日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室にて第2回を開催。出席者5名。
「野口体操」の受講経験のある新規参会者から「野口整体」との関わりについて質疑あり。
野口三千三(みちぞう・1914~1998)と野口晴哉(はるちか・1911~1976)に直接的な交流があったとは思えないが、人間の身体の観方には相通じるところがある。
整体師Aさんの回答によれば、揺らしの弛緩は活元運動(相互運動)と通じる、など。
また、YouTube で整体の現状を参照されたAさんから種々の慨嘆あり。
以下は私見である;日本古来から連綿と伝えられて来た見えざる多くの流れが野口晴哉によって統合されたところに整体という大きな河が顕われ、没後そこから多くの支流が分派したのが現在の整体の状況であろう。
同様にして、古代ペルシャからエジプト・ギリシャなどの古代密儀、あるいはキリスト教神秘主義やグノーシスからフリーメーソン・薔薇十字会など多くの流れがシュタイナーによって統合されたところにシュタイナー神秘学(人智学)が顕われたと見ることもできる。
一人の傑出した人物が現われる以前の多くの霊脈もまた大きく「オカルティズム」と総称できるが、西洋にあってはキリストの出現によって正統と異端が生じ相対立することとなり、オカルティズムの霊統は異端の中で潜伏流となって現代にまで及んでいる。
そのように、多くの支流が集まり大河となって後、そこからまた多岐に分れてゆくという展開は(人物にとどまらず)精神的文化的なあらゆる分野において観察できる。(統合的な存在として、例えばゲーテ・シェークスピア・源氏物語・世阿弥・利休・大本教etc.)
この展開を、見えなかった霊的な本質が顕われやがて物質的に硬化拡散してゆく経過と見るとき、水は低きに流れるほかはなく、水自体が自らの来歴や劣化を自覚しているかどうかは定かではない。
整体に関しては治療を捨てた野口の天才と、没後に分派展開して来た多くの整体術とを照らし合わせると、露わになるのは稼業としての整体であり、そこに問われるのは野口が受けまた野口から受けた魂の存在の有無だろう。
それを「霊統」と呼ぶならば、現代の日本においてシュタイナーの霊統を受けるとはどういうことであり、またどういうことになるのか?
問題は(分岐集散の果ての)現代の末期症状のさ中にあって、個人としてどのようにその流れを相渉ってゆくか、という一点にある。
中盤、Aさんから参会者全員が整体操法(愉気)を受ける:化膿活点(テキストP.183)
私見:各人各様の刻々の生命の営みがあるだけで固定的なツボなどは方便にすぎない。
その他、合掌行気と「なじむ」感覚など。
終盤、福島原発と隠された日本の現状、併せて飯山一郎氏とその活動が話題となる。
それを受けてAさんが放射線除去の操法を披露。
以下、『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』からの引用:
「内的平静の瞬間を確保し、その時間の中で本質的なものと非本質的なものとを区別することを学べ」(P.38)
内なる自己静観の価値は、その時何が観察されるかよりも、このような不動なる心によって開発される力が自分の中に見出せるかどうかにかかっているのである。(P.41)
【文責:学級委員 岡田隆】
次回の開催予定日
第3回 7月12日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)
第4回 8月2日(日)14:00~16:00 YCAM2F多目的室
『整体入門』(ちくま文庫)『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』(ちくま学芸文庫)