まちの未来・イメージ工房 平成26年度後期第1回ゼミの御案内 6月1日(日)

やまぐち街なか大学 IDOM
まちの未来・イメージ工房
―平成26年度前期第1回ゼミの御案内―
次回のゼミ開催日程が決まりましたので、ご案内いたします。皆様のご参加をお待ちしています。
6月1日(日) 14:00~15:30
コーディネーター 前田哲男氏(山口県立大学教授)
テーマ : 人間生活を問い直す
【参考】ゼミのテキストは、今回から神野直彦著『地域再生の経済学‐豊かさを問い直す』(中公新書)を使用します。
会 場 小郡地域交流センター1階 実習室
    (住所:山口市小郡下郷609番地1)
駐車場 有り
参加料 無料
【お問合せ先】 イメージ工房学級委員 棟久
TEL 090-7130-6213  E-Mail iria@c-able.ne.jp

やまぐち街なか大学 平成26年度(前期)
まちの未来・イメージ工房(第1回) 開催記録メモ

1 日時及び場所
平成26年6月1日(日) 14:00~15:30  小郡地域交流センター・実習室
2 開催テーマ  人間生活を問い直す
3 内 容
平成26年度のゼミがスタートしました。今期のゼミでは、神野直彦著『地域再生の経済学-豊かさを問い直す』をテキストとして、山口の未来を考えていきます。本書では、地域再生に成功したヨーロッパの事例を紹介しながら、日本型の生活重視スタイルを財政・政策面からどのように構築するかを提案されています。本日は、序章部分の「人間生活を問い直す」について、前田先生から要約した資料等によりお話がありました。

本書は「地域社会は激しく動揺している。その最大の原因は工業の衰退にあるといってよい。」という書き出しから始まります。これは先進国に広く見受けられる共通の現象ですが、地域社会をいかに再生させるかというシナリオは一様でなく、大きく二つに分岐しています。一つは市場主義にもとづく日本を含むアングル・アメリカン型のシナリオ。もう一つは市場主義にもとづかないヨーロッパ型のシナリオです。
市場主義に基づく都市再生とは、「民活」などで経済成長の維持を目指す都市再生です。この場合グローバリゼーションが進展すればするほど、人々はアイデンティティを求めて、地域社会への帰属意識を強めていきます。一方、ヨーロッパにおける地域社会の再生では「サステイナブル・シティ(持続可能な都市)」を合言葉に進められてます。つまり工業の衰退によって荒廃した都市を、人間の生活の「場」としての持続可能性を目指す都市にしようとする動きです。反市場主義の地域再生とは、市民の共同の経済である財政(税)による地域再生であることを意味し、大地の上に人間の生活を築く戦略だということができます。

ゼミの中では、山口の都市再生を試みる場合「市場主義」と「反市場主義」のどちらでいくのが良いか議論になりました。資本主義社会の国に属する以上、市場主義的な考え方が不可欠になりますが、必要以上に相手を叩きのめすまで競争を続けることには賛成できません。百獣の王ライオンが必要以上に狩りをしないように、また、郷土の偉人である大村益次郎が戦で敵を壊滅させることよりも、土地の制圧を優先して考えて敵の退路を予め準備していたように、目的意識を明確に持つことが重要なようです。全ての市民が豊かさとは何かを見付けることのできる良い眼鏡を持っていると良いのですが…

◎本日のゼミで学んだこと
奪い合えば足らぬ。分け合えば余る。