まちの未来・イメージ工房 平成28年度第5回ゼミの御案内平成28年12月11日(日)開催

やまぐち街なか大学 IDOM
まちの未来・イメージ工房
―平成28年度第5回ゼミの御案内―
平成28年12月11日(日) 14:00~15:30開催
コーディネーター 前田哲男氏(山口県立大学教授)
テーマ :「“記憶”と“体験”による「限界」の突破」
会 場 小郡地域交流センター 1階 実習室
    (住所:山口市小郡下郷609番地1)
駐車場 有り
参加料 無料
【お問合せ先】 イメージ工房学級委員 棟久
TEL 090-7130-6213  E-Mail iria@c-able.ne.jp

まちの未来・イメージ工房(第5回) 開催記録メモ
1 日時及び場所
平成28年12月11日(日) 14:00~15:30  小郡地域交流センター・実習室
2 開催テーマ  “記憶”と“体験”による「限界」の突破
3 内 容
本日のゼミでは、本書の第4章“記憶”と“体験”による「限界」の突破-「過疎の島が病人をよみがえらせる」の部分を要約した資料等により前田先生からお話がありました。
広島県との県境にある愛媛県上島町弓削島。そこに住んでいる人の大半は、戦前に島で生まれ育った人です。その弓削島には10年前まで認知症のお年寄りを受け入れる施設がなく、「ぼける」と島を出て海の向こうにある街中の施設に入らざるを得ませんでした。そんな中、大好きなふるさとの島でお年寄りに天寿を全うしてもらおうと島民の有志が立ち上がりました。介護の資格をとり、建物を探し、なんとか食事と寝泊りできる環境を整えましたが、そこには都会の施設にある介護器具などは一切ありません。でも、それが良かったのです。島に戻ってきたお年寄りたちは、長年食べてきた島の食事をして、毎朝陽だまりの中を散歩していると、みるみる元気になりました。何もない島こそ最高の施設だったのです。
大学で染色を学んだ新里カオリさんが尾道に移住してきました。尾道の向かいに浮かぶ向島に一軒だけ残る帆布工場に魅せられたからです。昔は島中で綿花が育てられていました。新里さんが草木染をしようと耕作放棄地を借りて綿花の栽培を始めると、昔を懐かしみ島の人が集まりだしました。綿花の活用の仕方についても最初のうちはどんな製品を作って売るかばかりを考えていましたが、そのうち売るのはもったいないと思うようになりました。世界のどこにもない瀬戸内の服をつくって自分たちが着る。それこそが都会の人をうらやましがらせる「豊かさ」と感じたからです。
ゼミの中では、弓削島の「NPO法人しまの大学」で行われている活動について意見交換しました。「しまの大学」は地域の人たちの困りごとや夢を、地域外の人や会社などと協力して実現させる取組みです。アンケートによって島民から出てきた地域課題は、「①船便が減少している。②医療や介護のサポート体制が不足している。③商店が少なくなってきた。④若者が遊べる娯楽施設が少ない。⑤イノシシが出没し農作物を荒らす。⑥雇用先が少ない。⑦高齢化が進んでいる。⑧耕作放棄地が増えている。」の8つに集約されています。これは船便をバスや電車に置き換えれば山口市の課題と重なりますし、全国の地方都市が抱える課題とも共通です。これらの課題を最初に解決することができたならば、その自治体又は地域が日本の地方創生のトップランナーとなることでしょう。やまぐち街なか大学の元学長だった廣中平祐先生が「これから地域は学ぶことをやめたところが敗者になる。」と仰っていたのを思い出したゼミでした。
◎本日のゼミで学んだこと
地域住民のモチベーションレベルを如何に高め、意欲を持たせるか。