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まちの未来・イメージ工房
―平成28年度第4回ゼミの御案内―
平成28年10月15日(土) 14:00~15:30開催予定
コーディネーター 前田哲男氏(山口県立大学教授)
テーマ :「SATOUMI」が変える世界経済
会 場 小郡地域交流センター 1階 実習室 予定
(住所:山口市小郡下郷609番地1)
駐車場 有り
参加料 無料
【お問合せ先】 イメージ工房学級委員 棟久
TEL 090-7130-6213 E-Mail iria@c-able.ne.jp
やまぐち街なか大学
平成28年度まちの未来・イメージ工房(第4回) 開催記録メモ
1 日時及び場所
平成28年10月15日(土) 14:00~15:30 小郡地域交流センター・実習室
2 開催テーマ 「SATOUMI」が変える世界経済
3 内 容
本日のゼミでは、本書の第3章「SATOUMIが変える世界経済-『瀬戸内海生まれ日本発』の概念が広がる」の部分を要約した資料及び水産庁の平成27年度水産白書を抜粋した資料により前田先生からお話がありました。
今や里海は“SATOUMIO”として世界に広まり、国際学会で“里海宣言”が出されるようになりました。SATOUMIは、地中海をはじめ、アメリカ、インドネシア、タイ、中国などの「内海」や「湾」などで、人の暮らしに近接した海の解決策になろうとしています。アメリカ東部のチェサピーク湾(チェサピークとは先住民の言葉で「貝を育む偉大な海」を表す)では、上流にある牧場から家畜の排泄物など大量の「富栄養化物質」が流れ込み、貝がほとんど取れなくなりました。その湾を「貝のいる海」に戻すのに一万人以上の市民が「カキ」のオーナーになってカキを育て続けています。また、インドネシアのジャワ島では、マングローブの密林を切り開いた広大なエビの養殖池で、エビが病気にかかり大量に死ぬようになりました。そのため、切ってしまったマングローブを植えなおし、水の中で繁茂していた藻をもう一度はやし、アマモと同じ「海のゆりかご」の役割を回復させました。さらに、養殖の効率ばかり追求して「エビだけを養殖していた」ことも見直し、ほかの魚も一緒に育てました。そうすると、エビだけを育てていたときの三倍エビが育つようになりました。
ゼミの中では、水産白書の数値等について意見交換しました。平成27年の水産物輸入量は249万トン、金額は1兆7,167億円で、中国、米国、チリ、タイが上位を占めます。輸出については56万トン、2,757億円で、香港、米国、中国で全体の6割を占めます。
明治末から大正初期にかけて日本人は、魚介類を年間1人当たり3.3キロしか食べていませんでした。正月や祝い事など“ハレ”の日にしか食べなかったのでしょう。その後、国力の向上により昭和初期には15キロに増加し、1950年代後半から「三種の神器」の一つとして電気冷蔵庫が普及したことから、新鮮な魚が漁村でなくても食べられるようになりました。これに伴い1960年代には年間1人当たり25〜30キロになり、2001年には40.2キロを記録しました。その後は消費者の魚離れもあって、徐々に消費が縮小し、2013年には27キロと1960年前後の水準に戻っています。
ほんの50年間で日本人の暮らしは大きく変化しています。そんな中、モノが手に入りにくかった50年前の方が幸せを感じたと言う人が多いのはなぜでしょうか?
◎本日のゼミで学んだこと
単に過去に戻るのではなく、失ってしまったものにもう一度価値を見出す。