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まちの未来・イメージ工房
―平成27年度第8回ゼミの御案内―
平成28年1月31日(日)14:00~15:30
コーディネーター 前田哲男氏(山口県立大学教授)
テーマ :「新しい政策の位置づけ」
会 場 小郡地域交流センター 実習室
(住所:山口市小郡下郷609番地1)
駐車場 有り
参加料 無料
【お問合せ先】 イメージ工房学級委員 棟久
TEL 090-7130-6213 E-Mail iria@c-able.ne.jp
やまぐち街なか大学 平成27年度
まちの未来・イメージ工房(第8回) 開催記録メモ
1 日時及び場所
平成28年1月31日(日) 14:00~15:30 小郡地域交流センター・実習室
2 開催テーマ 新しい政策の位置づけ
3 内 容
本日のゼミでは、第4章「今、現場には何が必要か」の後半部分を要約した資料や総務省の地域おこし協力隊の資料などにより、前田先生からお話がありました。
過去の農村政策の中心にあったのが、格差是正のためのインフラや箱モノなどのハード整備でしたが、著者が新しい支援方法を分析・整理していくと、①「補助金から交付金へ」、②「補助金から補助人へ」、③「中央政府から地方政府へ」、③「政府から新しい公共へ」といった政策の変化をみることができるとしています。
新潟中越地震後に言われはじめたのが、「足し算の支援」と「掛け算の支援」があるという考え方です。前者はコツコツとした積み重ねを重視するものであり、例えば高齢者の愚痴、悩み、小さな希望を丁寧に聞き、希望を掘り起こすプロセスです。一方、後者の「掛け算の支援」は、具体的な事業導入を伴うもので、従来型の比較的短期間で形になるものです。こうした支援のタイプの区別は重要な意味を持ちます。それは負の領域で「掛け算」をしてはいけない。符号が負のときに「掛け算」をすれば負の数が拡大するだけだということです。つまり復興支援では、まずは被災した人々に対して寄り添うような地道な支援が重要であり、それをせずに地域の有力者だけの意見を聞き、いきなり事業を仕掛けてしまうとむしろ地域は混乱し、衰退がより加速されてしまう可能性があります。だから「掛け算の支援」は、十分な「足し算の支援」の後に初めて実施すべきものなのです。
ゼミの中では、地域おこし協力隊に関して様々な意見がありました。2009年の制度発足以来、その数は毎年増加し、2014年12月現在、444自治体で1,511名の隊員が活躍しています。そして、協力隊にとって農山村の位置づけは4つのタイプがあると言われています。「仕事の場」、「自分探しの場」、「貢献の場」、「定住の場」です。このような多様な動機を持つ若者が、地域おこし協力隊として農山村に集まり、「補助人」(地域サポート人材)として活動し、そして少なくない割合で、その地域への定住を図ろうとしているのです。
◎本日のゼミで学んだこと
地域おこし協力隊は、地方移住への入口として機能している。