Category Archives: 現代アート考

現代アート考 第5回 令和元年12月27日(金)18:30~20:00

現代アート考 第5回
令和元年12月27日(金)18:30~20:00
番外編2 「東京といくつかの地方アート・シーン 1992-2019」
(講師:末永史尚, 東京造形大学准教授)
会場:YCAM 2F多目的室

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現代アート考 第4回 令和元年11月1日(金)18:30~20:00

現代アート考 第4回
令和元年11月1日(金)18:30~20:00
第3回 番外編1 「スイス、トゥーン美術館のパノラマ絵画」
(講師:ヘレン・ヒルシュ, 同館館長)
会 場 山口情報芸術センター(YCAM)スタジオC

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現代アート考 第3回 令和元年9月13日(金)19:00~20:30

現代アート考 第3回
令和元年9月13日(金)19:00~20:30
第3回 入門編3 文化多元主義と芸術祭の時代
会 場 山口情報芸術センター(YCAM)2F多目的室

 

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現代アート考 第2回 令和元年7月19日(金)19:00~20:30

現代アート考 第2回
令和元年7月19日(金)19:00~20:30
第2回 入門編2 日本の現代アート・シーン
講    師   藤川  哲
会 場 山口情報芸術センター(YCAM)2F多目的室

参加人数14名
講座内容
最初に、前回のテーマであった「アートにおけるモダニズム」を振り返り、その後、椹木野衣『日本・現代・美術』(1998年)の「悪い場所」や、村上隆『芸術闘争論』(2010)の西欧ARTヒストリーを例に、欧米のモダニズムに対する距離の取り方を考察した。続けて、大浦信行《遠近を抱えて》、岡本太郎《明日の神話》、Chim↑Pom 《ピカッ》、ヤノベケンジ《サンチャイルド》を取り上げ、私たちの文化的感性を形成してきた作品や出来事の集積として美術史を記述する可能性を論じた。
参加者からの感想や、科目実施を通して学んだこと
1回目のモダニズムからポスト・モダーンアートへの歩みを受けて、対して日本ではどの様にアート・シーンが展開してきたのか、とくにポスト・モダーンと言われた80年代以降を対象に、椹木野衣氏の『日本・現代・美術』と村上隆氏の『芸術闘争論』をテクストにし、アート・ワールド(アーサー・C.ダントー)とアート・シーンの定義の違いとその脱領域化からはじまり、椹木野衣氏が掲げた「悪い場所」としての日本~これまで与えられた歴史の繰り返しで、ドメスティックな(ガラパゴス諸島的な)閉じられた円環~と、対して村上隆氏は悪い場所に安住し甘んじるのではなく、つねにアクティブにコミットし続けることでしか打破できなく、それには「西欧式ARTヒストリーへの深い介入可能な作品制作と活動」しかなく、それによって初めて西欧式ARTのルールも書き換え可能となるわけである。
ボイスのポスト・ARTヒストリ(脱構築)として拡張する社会芸術概念とも呼応し合えるものではないかと感じられた。
続いて、現代日本アート・シーンのケーススタディとして、1986年、富山県立近代美術館で展示されるも、天皇陛下と入れ墨の人物、人体解剖図を同列にコラージュして県議会・右翼団体などから抗議を受け図録の処分を受けた、大浦信行《遠近を超えて》、1968年に制作され2008年東京・渋谷駅のコンコースに設置された岡本太郎《明日の神話》、2008年、広島市現代美術館での企画展のために制作するも、被爆都市広島市民の神経を逆なでして物議を醸し出し中止に追い込まれたChim↑Pom《ピカッ》、そして昨年福島市の「こむこむ館」に設置するも、放射能防護服に身を包み0を示すガイガーカウンターを持たせていたことなどから、市民から風評被害を広める、また放射能値0は科学的にあり得ないなどの批判を受け撤去されたヤノベケンジ《サンチャイルド》と4作品を概観した。
このうち3作品はいずれも社会的に揺さぶりを掛け議論を呼ぶも、結局撤去又は中止・図録の焼却処分等を受けたもので、岡本太郎《明日の神話》も、のちにChim↑Pomの手で福島第一原発のスケッチを付加された経緯も含め(これはバンクシーの自作品シュレッダー処分パフォーマンスと同じく、ある意味予定調和的と見られるのでは?)このほかにも、会田誠氏の回顧展で展示していた《雪月花》への市民団体からの撤去要求や愛知県美術館「これからの写真」展における鷹野隆大氏写真作品の展示変更問題、ろくでなし子氏の起訴事件など表現の自由と権力側もしくは市民感情との軋轢の歴史である事も感じ取れた。
これらの事例から、日本の「美術」と「アート」という言葉にも注目してみると面白い。若林直樹氏『退屈な美術史をやめるための長い長い歴史』および椹木野衣氏『後・美術論』の冒頭で論じていた様に、例えば、現代美術家クリスチャン・ボルタンスキーの作品は、「美術」「アート」どちらとも捉えられるが、尾形光琳の《紅白梅図屏風》は、「美術」として捉えられるが、英語の「ART」ならともかく「アート」ととしてとらえられるかという椹木氏の問いにはじまり、日本語の「アート」とは和製英語で、その音感の好印象のみが独り歩きしているのでは~シニフィアンとシニフィエの乖離とも言うべき現象を起こしているのではと想起。この講義の冒頭に学んだアート・ワールドとアート・シーンの差異と同様とも思われる。しかしこれは決して否定的に捉えるのではなく、例えば前述のケーススタディの如くいわゆる社会に問題提起するものの、陽光を浴びることさえ赦されなかった「残念な日本美術史」とも受け止められるものや、アール・ブリュットなど無名なものすべてを包括し、権威化・制度化されパイの奪い合いに終始せざるを得なくなった狭義のアート・ワールドからの解放するものとして意義がアート(後・美術)に含まれていると思われる。
同時に、「残念な美術史」こそ、ポール・ヴィリリオの「事故の博物館」https://www.youtube.com/watch?v=A_A4z7Li8-0 の如くこれまでの美術史を揺さぶり、グローカルという言葉に象徴される、ローカルの、そしてフランス・アナール学派の手法に学んで micro hisutory(小さな歴史)からの逆照射と、マッシーモ・カッチャーリのアーキペラゴ(群島/多島海)という異なるサイトスペシフィカルな多様性を持った世界の集合として進化することが現代アート・シーンでもあることを学ばせて頂いた。

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現代アート考 第1回 令和元年6月14日(金)19:00~20:30

現代アート考 第1回
令和元年6月14日(金)19時~20時30分
第1回 入門編1 アートにおけるモダニズム
会 場 山口情報芸術センター(YCAM)2F多目的室

参加人数 9名
講座内容
最初に、今年度から新たに始めた「現代アート考」の趣旨説明があり、9月までの前期で入門編を3回開催し、10月以降の後期は応用編であることが紹介された。続いて、モダニズムについて、ジェーン・ターナー編『美術事典』の記述をもとに解説があった。19世紀半ばのボードレールの「近代生活の画家」にその萌芽があり、1920年代に「モダン・アート」という呼び方が一般化し、60年代にC.グリーンバーグの評論によってモダニズム美術史観が確立され、70年代にはフェミニズムからの批判等によって失効したが、90年代においてもその影響は残っていた、という歴史であった。その後、H. H. アーナスン『現代美術の歴史』の第7章から第27章までの各章の要約と作品図版によって、20世紀における美術と建築の代表作を振り返り、モダニズム美術史観に収まらない作例なども確認し、意見交換を行った。

参加者からの感想や、科目実施を通して学んだこと
・入門編ということで参加したら、かなり高度な内容だったので、話についていくのが大変だったが、その分勉強になった。
・後半の通史部分が1冊の本を題材にしていたため、一貫性もあり、その分批評もしやすかった。うろ覚えだった部分を再確認することができて、良かった。
・たくさんノートをとった。紹介された本を実際に自分でも読んでみようと思う。

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全日程を終了いたしました。平成31年度後期開校予定

全日程を終了いたしました。平成31年度後期開校予定

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山口盆地考 2018 第11回 平成31年3月25日(月)19時~21時

山口盆地考2018(第11回)
平成31年3月25日(月) 19:00~21:00
講師 吉崎和彦(YCAM学芸員)
テーマ :「上海ビエンナーレ2018報告会」
会 場 山口情報芸術センター・多目的室
参加人数 19名

講座内容
上海ビエンナーレ2018は、上海当代芸術博物館を会場に、2018年11月10日~2019年3月10日の会期で開催された。1996年の開始から第12回目を迎え、中国最大の現代美術展として注目を集める本展だが、今回、チーフキュレーターのクアウテモック・メディナが掲げたテーマは「Proregress –Art in an Age of Historical Ambivalence」だった。「Proregress」は、アメリカの詩人E・E・カミングスが「progress(前進)」と「regress(後退)」を掛け合わせてつくった造語である。
本講座では、展覧会の内容と、巨大な美術館が毎年のように建設され、巨大資本が動き続ける上海のアートシーンを紹介しながら、メディナが「Proregress」というテーマを掲げた意図について考察する。

参加者からの感想や、科目実施を通して学んだこと
参加者は、講師が現地のキュレーターから聞いたという、上海の美術市場の活況と反比例する実験的な表現の減少についての問題意識を共有した。また、万博跡地の活用、私設美術館の建設ラッシュなどを背景に、チーフキュレータ―のメディナが提唱した「プロリグレス(禹歩)」が、中国のみならず現代社会全体について一考すべき問題提起であることも、さまざまな出品作品の解説を通して学ぶことができた。近年では、上海で非営利ギャラリーが活動休止を余儀なくされる状況がある一方、従来保守的と考えられていた北京でLGBTの表現を扱うオルタナティブスペースが誕生しているといった対比も興味深かった。さらに、中国における検閲の話から、日本の美術館で自主規制という名の「見えない検閲」があることをめぐっても意見交換がなされた。

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山口盆地考 2018 第10回 平成31年2月8日(金)19時~21時

山口盆地考2018(第10回)
平成31年2月8日(金) 19:00~21:00
講師 岡村和典(Yau 一級建築士事務所 代表)
テーマ :「建築を楽しもう」
会 場 山口情報芸術センター・多目的室

講座内容
皆さんは、建築にどんな興味を持っておられるでしょうか。あるいは無関心でしょうか。私たちを取り巻く何気ない建築は良きにしろ悪きにしろ、私たちにいつしか語りかけ、 対話しある時は強要し、身体や精神に関わっています。楽しく美しい印象や快適性、反面、不快感や使い難い、機能性はどうだろうと様々な建築があります。今回私が撮った面白い・元気になる建築をダッシュ・物見遊山し、建築の魅力を楽しく語り合いましょう。

参加者からの感想や、科目実施を通して学んだこと
一級建築士で県内外での豊富な経験や実績のある岡村和典さんが手がけた建築物や近代からポストモダンに至る建築物の紹介を写真やビデオを使って、大まかには4部構成でご紹介いただきました。
第一部では岡村さんがプロポーザルで選出され、手がけられた阿知須にある「きららドーム」や下関にある「海響館」の事例を見ながら、建築の存在が人間に与える影響やその景観にどのように調和させていくのか、自然災害などの外的要因や物理的かつ技術的な問題解決の手法についてのお話を聞きました。また、若い頃に原広司さんの事務所に所属していた時に深く関わった大分県湯布院にある末田美術館の建築もご紹介いただきました。
第二部では近代建築の巨匠3名(フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローヘ、ル・コルビュジェ)のそれぞれの建築スタイルやコンセプトなどを、実際に岡村さんが見て撮影した写真によって、紹介していただきました。
第三部では現代建築として、ブラジルの首都ブラジリアを構想した建築家で都市計画家のルシオ・コスタの下に手がけたオスカー・ニーマイヤーによる自然や人間の持つ穏やかな曲線を生かした建築物の紹介があり、アルヴァ・アールトからの引用で、「建築の目的は物質の世界を人間の生活と調和させることである。建築を人間的にするということは、より良い建築を意味し、そして、単なる技術的なものより、はるかに大きな機能主義を意味する。」という建築の目的や役割、人間との関わり合いが伝わる内容でした。
第四部では、ポストモダンの代表的なスーパーアーキテクト達の紹介があり、日本人建築家ユニットのSANAAやヘルツォーク&ド・ムーロン、フランク・ゲーリーなど、これまでにはない新たな領域の建築物の紹介やスイスとドイツの国境沿いにあるヴィトラ・キャンパスの建築物をビデオとともにご紹介いただきました。
コンピュータでの定式化したアルゴリズム的なデータ処理によって出来上がる建築を危惧しつつ、プロセスを通してのアイデアのひらめきやなにか人間的な本質を建築に応用していく姿勢を大事にされているところがたいへん印象的でした。また、最後に本来の建築の目的に対して、コンペ、指名、入札などの選定プロセスについての課題や問題点も簡単にご指摘くださいました。

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山口盆地考 2018 第9回 平成30年12月13日(木)19時~20時半

山口盆地考2018(第9回)
平成30年12月13日(金) 19:00~20:30
講師 中野良寿(アーティスト、山口大学教授)
テーマ :「かがわ山なみ芸術祭」
会 場 山口情報芸術センター・多目的室
参加人数 22名

講座内容
地域の名前を冠したアートプロジェクトが新潟の越後妻有大地の芸術祭、瀬戸内芸術祭など代表的な芸術祭をあげるにとどまらず、日本の中で急速に広がりつつあります。地域アート(Community-Engaged Art)という言い方もされる昨今、本講師がエリアキュレーター兼、アーティストとして参加した「かがわ・山なみ芸術祭2016」の報告会を行いたいと思います。地域コミュニティーと連携しつつ芸術の純粋性を維持して様々な表現を探求するにはどのような方策があるのか、、、。興味がある方、とりあえずのぞいてみようという方、歓迎いたします!

参加者からの感想や、科目実施を通して学んだこと
90年代までの現代美術の発表の場が大都市を中心としていたのに対し、近年の現代美術の発表の場が地方都市や山間部などへ移行している現状や背景の紹介により、地域の課題や地域性を生かしたプログラムが日本全国で活発に開催されていることが分かりました。また、全国の芸術祭の一覧によって、その概要が理解できました。
開催テーマとなっている「かがわ・山なみ芸術祭」に関する設立背景として、瀬戸内国際芸術祭やその仕掛人でもある北川フラム氏の存在や文脈の紹介により、それらの運営方法や位置付けの比較考察の中でトップダウン型とボトムアップ型という表現で考察があり、大変わかりやすかったです。
「かがわ・山なみ芸術祭」はボトムアップ型と呼ばれる手法で、地域住民や地元アーティストが中心となり運営母体を組成し、エリア・キュレーターを任命し、会期中にそれぞれのエリアごとに展開していくというものでした。参加した各アーティストの紹介もあり、地域性や地理的特徴を生かした様々な表現手法が行われ、多くの来場者に恵まれたことや今後の課題も紹介されました。
また、お祭りという地元住民に根ざした求心性の高いものや何らかの聖なるものに魅了される感受性や人間性に響くものが人々を結びつけたり、感動させたりするのではとの考察も大変、印象的でした。
また、学生さんの参加が多く、全体的に若く賑やかな印象の講座となりました。

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山口盆地考 2018 第8回 平成30年11月30日(金)

山口盆地考2018(第8回)
平成30年11月30日(金) 19:00~20:30
講師 渡辺栄(アーティスト)+渡辺京太
テーマ :「イタリア~アートな生活と街づくり」
会 場 山口情報芸術センター・多目的室
講座内容
 イタリア、ミラノに長く滞在されている渡辺夫妻より、初期キリスト教時代のモザイク画から、美術学校の生徒たちが制作発表している最新のアート表現まで、約1時間に編集された映像を視聴しながら、ご紹介頂いた。レオナル・ド・ダヴィンチの《最後の晩餐》やミケランジェロの《ロンダニーニのピエタ》、ロンバルディア派の画家たちの作品など、必見の作品から、日本ではあまり知られていない珍しい作品まで、じっくり鑑賞できた。
 ミラノの街並みは大聖堂を中心に同心円状に広がっている。また、ドゥオーモ広場、メルカンティ広場、スカラ広場など、市内各所にある広場が市民生活に重要な役割を果たしている。ミラノ・コレクションなどによって、最先端の流行発信地としてのイメージが強いが、実は、地下鉄駅構内に古代ローマの遺跡が保存されているなど、歴史を大切にしており、新しい表現も伝統への深い理解から出てきている、ということをお話頂いた。

参加者からの感想や、科目実施を通して学んだこと
 映像試聴後の質疑応答では、小説『ダ・ヴィンチ・コード』が提示した《最後の晩餐》の新解釈や、デ・キリコの晩年の作品、2015年に開催されたミラノ万博、ミラノの美術学校の様子についての質問が出た。
 1時間の映像に、42ものトピックが簡潔に編集してあり、大変充実した講座だったと、参加者の多くから大好評だった。

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